【安全上の注意について】
NMRには、使用者や装置自身を事故の発生による傷害や危害、損傷を防ぐ、安全機構が組み込まれていますが、装置の意図する使用目的及び使用方法を逸脱した場合、安全装置の機能が損なわれる場合があります。
装置を扱う前には、安全上の注意をよく読み、理解した上で、正しくお使い下さい。
【強磁場の影響について】
NMRは、0.5mT以上の強い漏れ磁場を発生しています。
鉄などの磁性体製品や磁場の影響を受ける機器、それらの機器を装着している方は、装置に絶対に近づかないで下さい。
1)磁場による機器の障害を防止する方法
⇒以下に例示する機器類を測定室内、強磁場発生区域内に持ち込まないで下さい。
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傷害を受ける医療用電子機器や体内埋め込み型医療機器
ペースメーカー、動脈瘤クリップ、そのほか人工臓器類 -
データが破壊される磁気媒体
クレジットカード類、ハードディスク、フロッピーディスク、ZIPディスク、磁気テープ -
異常動作を起こす機器
腕時計、ブラウン管ディスプレイ、その他精密機器類
2)磁場による吸引事故を防止する方法
⇒以下に例示する鉄等の磁性体を使った製品をNMRに近づけないで下さい。
- 小さな鉄製品: ホッチキス針、クリップ
- 刃物類:はさみ、ナイフ、ピンセット、時計用ドライバ、工具類
- 装身類: カイロ、装身ウェイト類
- 日用品:ハンドドライヤ、掃除道具類
- 小さな物がボア内に吸い込まれた場合、取り出すためにはマグネットの再立ち上げが必要になります。
- マグネットの再立ち上げには、時間、経費がとても掛かりますので、お気を付け下さい。
- 刃物類を持って近づくと、負傷する可能性があります。
- 大きな物が吸引されると、マグネットの間に挟まれ、負傷または脱出不能になる可能性があります。
- 大きな物が吸引され、マグネットに衝突すると、クエンチする可能性があります。
- 無理に引き離そうとすると、マグネット内部が変形したり、クエンチを誘発する可能性があります。
以上の理由のため、上記の物を、測定室内に持ち込まないようご協力をお願いします。
【クエンチに伴う事故について】
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クエンチ発生時は、酸欠事故防止のため、直ちに測定室外へ退避して下さい。
→クエンチ時には、貯蔵されている液体ヘリウムのほぼ全量が気化し、測定室内へ放出されます。この際、測定室内の酸素濃度が低下するため、酸欠事故が発生する可能性があります。 - クエンチ発生時は、直ちに測定室外へ退避し、室内に入らないようにして下さい。
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酸素濃度計のアラームが鳴っている場合は、測定室へ入室しないでください。
→測定室内に設置してある酸素濃度計は、酸素濃度が18%以下になるとアラームが鳴ります。